ドライアイスを水にいれると出る白い煙の正体は?

皆様こんにちは。
埼玉ロジテック ドライアイス事業部です。

本日は、ドライアイスの白い煙についてです。

ドライアイスは二酸化炭素を固体にしたものです。
ドライアイスは「-78.5℃」より温度が高くなると昇華(固体から気体に変化)して
炭酸ガス(二酸化炭素)になります。

ドライアイスを常温に置いておいたり、水やお湯に入れると白い煙がでますよね。
この現象は一般的に、空気中の水蒸気が冷やされて
白く霧状になって見えると言われています。

ですので、油にドライアイスを入れると泡は発生するのですが白い煙はでません。
昇華した(気体になった)ドライアイスの周りが油なので、
水のように白い煙が発生しないということですね。

このように、一般的に白い煙の正体は気体となった二酸化炭素のまわりが冷やされて
霧状になった水滴(水蒸気)であると言われています。

 

しかし、この説とは違う論文を発表している方がいらっしゃるそうです。
その方は、東大寺学園中・高等学校の松川利行さん。
論文によると白い煙は霧状になった水滴ではなく微粉末(固体)であるとのこと。

ざっくりとした内容は

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・インターネットなどで調査したところ、
 ドライアイスを水に入れたとき、白煙がどのように生じるのか、
 またその正体について実証されたという学術文献は見当たらない。

・ドライアイスの白煙を観察すると、緻密でフワフワとしており
 触ってもサラッとしていて、加湿器の水蒸気とは異なる。
 他の白煙(固体)に似ていることから実証を試みることに。

・ドライアイスの昇華した冷たい二酸化炭素を水中に通しても
 水面や水中に白煙は発生しない。
 これにより、空気中の水蒸気が冷やされて霧になり白煙ができるという説は否定される。

・ドライアイスを様々な液体にいれて実験した結果、
 ドライアイスの昇華点(-79℃)より温度の高い液体の場合にのみ白煙が発生。
 白煙の正体は液体が凝固してできた固体粉末と推定。
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詳細については、論文にてご確認ください。

▼ 松川さんの論文です。
水に投じたドライアイスで生じる白煙について – 氷微粉末(固体)である証明

 

論文を読むとナルホド!という箇所が多々あります。

こちらの論文が発表されて12〜13年たっているようですが、
今でも一般的には霧状の水滴とされているケースをよく見かけます。

 

ちなみにですが、Gakkenさんのドライアイスのページには

※ドライアイスを水に入れたときに見える白いものが、
氷(固体)だけなのか、水(液体)だけなのか、
あるいは両方混ざったものなのかは、わからない部分があり、
はっきりと説明できません。

と記載されています。

▼ Gakken キッズネット
ドライアイスを水に入れるとどうしてけむりがでるの

 

歴史を見ても、アリストテレスが提唱した天動説から
コペルニクスの地動説に変わるまで1800年近くかかっています。
20世紀以降には、古典物理学では説明できない現象が出てきて
相対論や量子力学などの新しい理論が浸透しています。
理論の変化や新しい理論の浸透は、とても大きな時間軸の中で起こることがわかります。

ドライアイスの白い煙も今後どのように浸透していくか興味深い内容です。

 

▼参考にさせて頂いた記事です。
「ドライアイスの白い煙は二酸化炭素じゃない」って知ってた?

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